2009/08/17

電波時計@沖縄 (分解修理挑戦編)

さて、前回の、沖縄では電波時計がほとんど役に立たないが珍しく動作するウチの1台の液晶表示が不調になった、の続き。

液晶表示を復活させるためにエリート電波時計"SQ666S"を分解してみる。
装置の調子が悪くなったら、まず内部の埃を疑え、だ。
ネジは裏面から見える4カ所と、これらを外しても外れないので、エイヤと見当を付けて頂上部の長いバーを外したところ(両端がツメで止められていた)、2カ所にボタンが隠れていた。これも外したのが上の画像。
案外汚れていない。
…。
考えてみれば、この種の時計はそんなに熱を持つものでもなく、開口部もスピーカと温度センサくらいでほとんど無いので、埃のたまりようがない。
それでも若干はあると言えばあるので、製図用ブラシで掃く(製図はしたことがないが)。ホントはエアブロワーがいいんだが、子どもたちにすぐ使われてしまい、いつも使える状態にないのが難点。ついでに、配線に外れゆるみがないか確かめてみる。特に異常はない。

ここで、上画像の左中央上部分にアンテナコイルを発見。覆い被さるようにしている基板が電波受信モジュールと推定。外してみると、"T4225B"とある。ググってみると、T4225Bは"Low-Cost Time-Code Receiver"であり、いくつかのメーカで製造している規格化されたモジュールのようだ。

よく見ると、その対面には、銅箔でシールドされている部分がある。時刻設定スイッチと直結されているので、ここは、時計の心臓部のようだ。

受信しにくい電波を受信するには
  1. 送信電波の出力をあげる
  2. アンテナの性能を上げる
  3. 外部ノイズを下げて見かけ上のアンテナ性能を上げる
があると思うが、手っ取り早いのは2か3だ。1は個人レベルでは無理だ。国民の不満の声を反映しないといけないので10年以上かかるだろう。

このSQ666Sは、電波受信モジュールが汎用品であり、他の電波時計と差別化されているとすれば、銅箔部分であり、銅箔が電磁シールドとしての役割を果たしているのではないかと推測。
つまり、3.の見かけ上のアンテナ性能を上げるの該当するのでは。

さて、どうするか。
もう1台の後からやってきた受信できない電波時計を分解してみることにした。
その時計を分解して、銅箔などのシールドがあれば、推測は間違っている可能性が高く、なければ、銅箔ないしはアルミホイルでシールドを作ってやって、電波の受信状況を観察、結果を考察する。

とりあえず、SQ666Sを元に戻してみる。が、時刻修正の手動スライドスイッチを動かしても動作モードが変わらない。時刻は電波で修正してくれるが、目覚まし時刻の修正ができない。
ちょっとヤバイが、スイッチの復旧は後回しにして、次回はもう1台の電波時計の分解を行うことになるだろう。

液晶表示の不調の話はどこかに行ってしまった…。

2009/08/12

電波時計@沖縄 (ほとんど受信できないよ編)

2000年10月より独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)が運営管理する佐賀県の羽金(はがね)山標準電波送信所が、日本標準時を長波に乗せて西日本一帯に送り続けている。
ちなみに、同年、会社の先輩が東京で購入した電波時計対応の腕時計が実は東日本仕様で、東京出張のたび時刻が合うんだよ、と言っていたことは興味深い事例ではあるものの、なぜ東日本仕様を買ったのかは聞いてはいけないとされている。

この羽金山からの電波により、ここ沖縄もカバーエリアとされ、電波時計は日本標準時に正確に同期してくれることになっている。
しかーし、個人的な経験上、ほとんどの電波時計は動作しない。
電波時計は、ここ沖縄では水晶にお伺いを立てる前時代的な月差±20秒のただのクォーツ時計に成り下がっているのである。
他にもそう思う人がいるようなので間違いない。
沖縄時間(ウチナータイム)に思う 01
このように私の回りにはいつのまにか電波時計が増えてしまった。ただし私は電波時計が好きなのではなくて、時間を厳守するための正確な時間を求めているのである。ところが沖縄で生活するようになり私の平穏な時間間隔を狂わせる大変な出来事が発生している。なんと沖縄では車のナビ以外の電波時計が全て電波をキャッチしていないのである。おそらく教授室、および官舎の立地条件、壁の厚さなどにより電波が届いていないのだと考えられる。これは私にとっては大ショックであった。
沖縄時間(ウチナータイム)に思う 02
ちなみにその後も電波時計は増えている。
(略)
医局のカンファレンスルームに掛っているが、やはり電波はキャッチしていないようである。
立地条件(那覇市の高台にある首里でもNG)でも鉄筋コンクリ壁(ビルの屋上でもNG)のせいでないことは確認済みである。むろん電波時計にウチナータイムはない(そういう時計は内部に水晶ではなくユタがいるはずである)。

しかーし、今のところただ1機種だけ動作を確認した電波時計が我が家にはある。
2001年に健保組合から何かの記念に頂いたセイコーの"SQ666S"である。この時計、プラスティックなのにゴールド色というデザイン、目覚ましのセットがスライドスイッチでスヌーズ状態になり易い操作性、どちらも最悪であり、そのうえ型番"666"も映画オーメンを連想させ不吉であるが、電波時計としての性能はワンアンドオンリーだ。
これ無しには毎日の起床もおぼつかない(もっとも最近は目覚まし前に起きてしまう。つまり早起きは朝飯前だ。当たり前か)。

最近、この時計の液晶表示がおかしくなってきた。目覚ましは毎朝6時に正確に鳴る。時刻は正確なのに、人間には何時だかよく分からないという、何のための時計なのか、存在意義を問われる事態に発展してきた。
そこで、意を決して、外見や扱いにくさには目をつぶるが本質的に違う所を見せつける唯一のエリート電波時計SQ666Sの内部を分解することにした。
これで、秘密が分かるかどうかは現時点は不明。

次回は分解編となるであろう。

上の画像はNICTから。

2009/08/10

省エネナビでエアコン稼働状態はどう見える?

1週間程前の8/2だが、この夏初めて寝室のエアコンを稼働した。
南風が吹いている限りは、エアコンを入れる必要性は感じず、実際昨年はほとんど稼働しなかったのだが、今年はなぜか風向きが悪く、南風が吹いてこなかった(7月後半〜8月初旬)。
子ども達を昼寝させるために私の素敵な奥様がとうとうリモコンの運転ボタンをONにした(効果抜群でよく寝たそうである。本人も含めて)。

そして、画像が次の日に省エネナビで確認した電力消費量の推移。一つのバーが30分を表している。
これを省エネナビで見てみたかった。15時頃にエアコンを稼働すると同時にピークが来て、徐々に下がっているのが見て取れる。夕方には停止しているが、照明等により昼間よりは多い。
エアコンは初動時に室温が設定温度に近づけようと猛然とスパートをかけるので大きく電力を消費し、あとは惰性でチョコチョコっと設定温度をキープするためだけなので、電力の消費量は少なくなる、ということよくがわかる(それでも多いけど)。

このエアコンは日立製作所製、インバーターエアコン、RAS-2509LX、2000年製造、2001年購入、6畳間で使用。

省エネナビに関する過去のポストの一覧はこちら

ちなみに日立のサイトでは、過去の製品の情報が取れない。メーカによっては、例えば東芝、ソニーなど好き嫌いは別にして、マニュアルまでダウンロードできるというのになぁ。

2009/08/04

夏休みの朝はラジオ体操で始まる 2009

今年(2009年)の夏休みの朝は昨年の夏休みの朝はラジオ体操で始まると以下同文。今読み返してみるとほんと一緒。既視感、デジャブ。
違いは
  • 児童、保護者が共に増えた
  • エサ(ご褒美)が公民館長手作りのサーターアンダギーだった
  • 3号(♀1才)が参加した (今のところまだ1度だけだが、早起きしてしまい、連れてけ、カードよこせと体を張って主張)
ことか。

画像はScott A. DomminさんのA Hurricane Hunter's Photo Albumから1983年の Super Typhoon Forrest=台風10号(Wikipedia/デジタル台風)の台風の中から見た「眼」(青空)と、珍しい雲のスタジアム。衛星写真ではこの形態は分からないそうだ。
台風8号"MORAKOT"(モーラコット、タイ語でエメラルド)の沖縄本島への接近(近日中)記念。

2009/07/29

子犬が来たりて、風と共に去りぬ

1ヶ月半程前、迷い子犬がやってきた。
そして2週間前に去っていった。

登校のため1号(♂9才)が家を出ると、家の前で子ども達が何か騒いでいるのを私の素敵な奥様が不思議がる。その騒ぎの張本人がこの子犬であったことを後に知る。
子犬が子ども達について登校しようとしたので、車に轢かれるのを心配した立哨当番のお母さん(1号の同級生の母親)が捕まえ、抱えながら旗を振っていたらしい。そのお母さんは家に一旦連れて帰ったのだが、先住の飼い犬と折り合いが悪く、その日のうちに1号のクラスに泣きが入ったところ、1号がうちなら大丈夫と勝手に宣言し、そのお母さんから私の素敵な奥様へ子犬は引き継がれていった。何も知らない奥様は1号にあきれると共にそこで事の顛末を知った次第。

3号(♀1才)がまだ手がかかるので当分は犬は飼えないと閣僚会議(私と奥様)の上判断し、まずは飼い主を捜すことにする。
慌てて「迷い犬保護中」の張り紙を作成し、翌日、家の前と1号の学校に貼ってもらう。
迷い犬保護中、2009/6/19(金)朝〜、メス、短毛、濃茶、垂れ耳、犬種不明、生後1ヶ月程度、心当たりの方はご連絡ください
しつけに注ぐ時間は閣僚にはないので、飼い主が見つかるまでの間、人間は信頼に足る存在だということを覚えてもらうことだけに専念する。
当初は段ボール飼いしていたが、遊び足りないようなのでベランダを開放する。子犬といえども犬であり、遊び方が猫とは違う。猫は前足が主体だが、犬は口が主体だ。餌は先住猫のキャットフードを拝借。体は猫より小さいがほとんど倍は食べる(後であげ過ぎだったことに気付く)。よく食べよく寝る。ただ、おかげで糞尿の片付けのため日に何度もベランダを掃除するはめになった。この点、猫は楽だ。

その先住猫に母親役と遊び相手を期待したのだが、一緒にベランダに隔離すると子犬に対してものすごい威嚇をする。犬に対してトラウマがあるかのようだ。ちょっとでも近づこうものなら「シャーッ!」だ。それでも子犬は遊び相手がほしいので近づき、猫は威嚇と子犬の届かない手すりへの逃亡を繰り返す。さすがに3週間後には最初の「シャーッ!」で子犬もつまらさそうな顔をして距離を置くようになった。しつけの一つはできただろうか。

ベランダでじゃれている間に、どうもこの子犬はラブラドール・レトリーバーのチョコレート色、いわゆるチョコラブではないかとの意見が奥様から提示される。ネット上のいくつかの写真を見れば見る程そう思えてくる。毛並みやお腹のまだらのない皮膚の部分、しっぽの張り具合などがただの雑種ではない雰囲気を醸し出している。
うーむ、これはどこかの誰かがペットショップ等で購入して運悪く逃がしてしまった子犬ではないのか?

しかし、それでもいっこうに飼い主につながる情報が得られないので、2週間後に新都心のペットショップPETBOXへ猫と子犬の餌を買い求めるついでに里親募集の張り紙をお願いする。
迷い子犬里親募集中、2009/6/19(金)朝〜保護中、メス、短毛、濃茶、垂れ耳、犬種不明(チョコラブ?)、生後1ヶ月程度、ご連絡ください
張り紙をお願いしてから1週間後、ある男性から拝見したいとの連絡が入った。本当に連絡が来るとは驚きだ
そしてその3日後、仕事を抜け出したと思われる(部下と一緒だった)優しそうなおじさんが見学に訪れ、即日引き取っていった。2頭飼いしていたがその内の1頭、ミニチュアピンシャーが行方不明で動物愛護センターでも見つからず捜索を諦めていたところ、張り紙を見て連絡を取ったとのこと。多頭飼いしたいのだそうだ。対応した奥様に言わせると本当にもらっていいのかと恐縮していたそうだ。チョコラブ?の文言に惹かれたのかな。こんどは「シャーッ!」の猫ではなくダックスフンドが相棒だ。

子犬がいなくなってから、心情的には手のかかる子どもが一人減ったかのような静けさだ。
まずは幸せな旅立ちだったのではないか。
3週間半の居候。犬は三日世話になった恩を忘れないという。
いつの日か大人になった彼女に会ってみたい気もするが、そう思わせるところが猫とは違うところだな。

2009/07/27

ピアノのメンテナンス(湿度対策編:続き)

ピアノのメンテナンス(湿度対策編)の続き。

先週、別の調律士さん(見積に来た方らしい)が残作業のため来訪。私の素敵な奥様が立ち会った。
以下、奥様からの報告をblog向けに少々改変(乾燥機は除湿器と読み替える)。
来ましたよ~。xxピアノ

ペダルは完全に、前回の調律士さんの作業ミスだったそうです。
(うちのは構造がちょっと変わってて、それでじゃないかと)
他数点話がありましたが、帰宅後口頭で^-^

あと、ピアノの乾燥機は
「プロの方が付けたと思うのですが、」と前振りされて
そのまま勢いよく説明が続いたので
ダンナがつけたと言いそびれました(笑)

ただ、弦にだいぶ近いらしいです。
音の狂いが出やすいと思うので次回は9月か10月ごろがおすすめですとのこと。

「○○、たくさん在庫抱えられるところは大量入荷で安くできるんですよね」
と言ってました。
 ↑乾燥機のこと。
xxピアノでは受注があってお取り寄せになるから割高なんだと。
使用期限があると言ってたよ。
在庫を抱えると古いのから出していくから受注だそうです。

…とまあ、こんな感じ。作業45分くらいかな。
今回はスピーディーでした^-^
うーむ、除湿器(ダンプチェイサー)の取り付け作業評価は素人以上プロ未満という妥当な所か。
ということで早速昨日除湿器を弦からもっと離して下前板に近づけてみた。
これでOKかな。9月か10月に調律を頼むことも無いな。

2009/07/25

「獄中記」佐藤優著

あわせて読みたい「国家の罠」。

「国家の罠」で検察との取り調べにおける駆け引きを書いた佐藤優がその「ムネオハウス」疑惑問題で逮捕されてから保釈されるまでの512日間の拘留生活を手記を元に綴った本。
取り調べ自体は逮捕から105日目で終了したが、
  • 鈴木宗男が保釈されるまでは出獄しない
  • 「逃亡のおそれがある」として拘留措置を更新する裁判所に保釈手続きを取らないという形で異議申し立てを行う
という筋を通したために更に407日間余計に拘留された。

奇しくも先日最高裁への上告が棄却され有罪が確定した

拘置所という物理的に自由のきかない空間の中で、弁護団や外務省後輩、同志社時代の友人などの語る相手と多岐にわたるテーマが交錯する。
そのおかげか何度読み返しても飽きない。
気になったフレーズを抜き出してみるが、これらもごく一部に過ぎない。
 さて、私は哲学専門家には二つの種類があると考えています。
 ①独自の思想を作り上げることのできる専門家。しかし、このようなオリジナリティーのある哲学者の思想はわかりにくい。
 ②自らの能力はそれほど高くないが、オリジナリティーのある哲学者の思想を専門家以外の人々にわかりやすく説明することのできる哲学専門家。
 私は生粋の哲学専門家ではありませんが、(中略)、私は明らかに②に属します。
(p.48)
このように、文中でもヘーゲルやハバーマスの考えを現在の状況に当てはめて説明を試みることが上手い。

 拘留生活も一二二日目、弁護団への手紙もこれで70通になります。この生活のリズムが完全に出来ていて、楽しい毎日を送っています。
(p.129)
文中には「楽しい」や「充実した」が頻繁に使われている。裏を返せば自由がない拘置所の中だからこそ強調されているように思える。しかし、語学、哲学、神学など知性への欲求は強いものがあり、状況を逆手にとって活用しているとも。実際B5判62冊のノートに書き続けた。

 現下、日本のエリートは、自らエリートである、つまり、国家、社会に対して特別の責任を負っているという自覚を欠いて、その権力を行使しているところに危険があります。
(p.204)
エリートの定義は特権とその引き替えの義務・責務である。これは意識付けだけの問題なのだが、皆が私利私欲に走ると意識付けをする人さえいなくなる。会社で言えば特権を与えられ義務・責任を負うのは経営者層にあたる。経営者層が私利私欲に走った会社の行く末は背任行為という会社法に照らすまでもなくつぶれるのは必至である。国の経営者層がそうならば…。

 私が付き合ったこの世界のトップエリートは異口同音に「最後の信用できるのは自分自身と親友だ」と述べていましたが、この言葉の意味も、私自身が国策捜査の対象となって初めて分かりました。
(p.207)
信用できる自分自身を構築すること、利害関係のない付き合いの重要性。

 もう少し具体的な説明を試みると、言葉の死活的重要性に関するユダヤ教の理解が重要です。質的に絶対に異なる神と人間をつなぐ唯一の手段が言葉、そしてかもの言葉を記した聖書です。そして、この言葉からどれだけ深く言葉の意味を解釈するかということが、人間にとって最重要課題となるわけです。ここから神の言葉を正しく理解するように努め、また、自分の発する言葉に対して責任を負うという倫理が出てきます。
 私が日本の政治家、外交官に対して何を物足りなく感じているかがわかってきました。自ら発した言葉に対して責任を負わない人が多すぎるのです。
(p.289)
宗教への造詣とその思索から、内面の違和感に気付く過程の表出。
言葉と宗教を違う視点で眺めると、現代に君臨する宗教は人類が言葉を上手に操れるようになるに従って発生し、聖書、教典などを通し、伝承、発展してきたたと考えることができる。言葉があったので宗教が生まれ、今に続いた。

 女の底力をキリスト教はよくわかっている。自分の力で友の窮地を救えないことがわかっている場合、本当の勇気とは怖くても見届けることだと思う。
(p.385)
岡林信康が死にゆく病床にある友人に捧げた「君に捧げるラブ・ソング」はそこに通じることに気付いた。
岡林信康は牧師の息子であり、キリスト教徒であり、著者と同じ同志社大神学部出身である。
何もできはしない そんなもどかしさと 逃れずに歩むさ それがせめての証

 政治の世界で大きな差異というものは激しい対立を作り出さない。小さな戦術的差異が深刻な抗争を引き起こすのである。
(p.429)
大きな差異は無視したり離れたりすることができるが、小さな差異は、残る部分が同じか共有しているということであり、家族(民族)や隣人(隣国)との関係や衝突にもつながるか。

 ルカーチが「立場を離れた自由な見解など存在しない」と考えたのは正しい。特に外交交渉において、立場を離れた見解は存在しない。それをいかに客観的に見せるかというのが外交(そして諜報)の技法なのである。
(p.444)
仕事にそのまま使える。逆に立場を離れた第三者的発言は無責任ともとれる。

個人的キーワードを列挙すると、
監獄(存在意義、獄中生活、拘置所職員の人間性、死刑囚)、哲学(ハバーマス、ヘーゲル)、宗教(キリスト教、キリスト教神学、ユダヤ教、イスラーム教、仏教)、民族(ナショナリズム、チェチェン)、外務省(組織、文化、後輩、不作為)、
となる。

彼の場合、支援者があり、佐藤優支援会が結成され、弁護団が組織されたのが(=経済的支援の存在)、かなり特徴的なのではないか。

2009年5月購入。

新作の「交渉術」も立ち読みレベルで面白そうであった。文庫化の折には購入する予定。

zenback