2022/02/27

「ヤンキーと地元」打越正行著

先日のニュースで、警察官がオートバイに乗った若者と「接触」して、若者の右目を失明させるという事件が発生したというものがあった。その警官の「接触」行為に対し、若者たちが、沖縄警察署(沖縄市)を囲い込み、ときには投石したというもの。彼ら若者たちは、「接触」に異を唱えるため、事件を有耶無耶にさせないため、警察に抗議するにはこうするしかなかったんだろうな、というのがニュースを見たときの感想で、この本を読んだ今も変わらず、さらに確信を強めました。

沖縄のヤンキーの敵は「警察、教師、ヤクザ」とこの本に書かれていたというこの事件に触発されたツイッターを見て、あ、そうだこの本は読んでおかなければと、急いでアマゾンで注文した次第です。(画像をクリックするとアマゾンに飛びますが、アフィリエイトは仕掛けていません) 

警察の見えないところでの暴力行為は、この本にも記載があるけれど、

時に暴走族少年らはパトカーに追突され、捕まった。パトカーに押し込まれた彼らは、警官に激しい暴行を受けた。取調室でも、顔以外の部位に殴る蹴るなどの暴行を受けた。

さもありなんで、高校の頃にも夜中に友人の家へ通じる袋小路に逃げ込んだオートバイの少年が追いかけてきた警官たちにかなりの暴行を受けているのを2階の窓から見ていてたことを友人が興奮気味に語っていたのを思い出します。

笑ってしまったのは

二十歳過ぎの地元の先輩たちはギャラリーとして見物し、後輩たちの暴走に「気合が入っていない」と判断すると、自ら一一〇番して警察を呼びつけて、その場を盛り上げようとした。(p. 30)

敵であるはずの警察を手球を取るように呼びつけるなんて、先輩!

沖縄のヤンキーの敵であるとされている「警察、教師、ヤクザ」は、彼らを理不尽に扱う者たちです。一般市民的には彼らヤンキーは社会に対してあからさまな敵意を見せることがないので(あるいは少ないので)、社会生活を営むうえで脅威となる存在ではないです。とはいえ、先輩から後輩、女性(妻や彼女)に対する暴力行為は認めませんけどね。

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