"A Sunday Afternoon on the Island of La Grande Jatte"(グランド・ジャット島の日曜日の午後)が現れた。
何度も見たことがあるが、ちょっと気休めのつもりで眺めてみる。
(是非画像をクリックして大きなサイズで見ていただきたい。リンク先はWikimedia)
絵の中には多くの人物がいるが、人物の表情がほとんど伺えないか無機質に描かれている。
もしかすると文章や絵でこの光景を描くことはできるかもしれない、と一瞬勘違いしそうになるが、その中で左下のパイプをくわえた男性の表情に目が留まる。
周囲が身だしなみを整えた紳士淑女であるのに対し、ラフで肌を見せる自由な服装、パイプをくゆらせながら規範から離れて体を仰向けに寝かせ、しかし、視線の先にあるはずの何かを鋭く凝視する目。歳は50を超えているだろう。彼の明確なライフスタイルと過去の様々な経験を想起させる。
この男の背景を描ききっている。
文章であれ絵であれ技量の問題ではなく、人間を理解する能力の面において、ある人生をこのように描くことは私には出来ない、と思った。
自分の完全な限界を今頃知る。
この絵のパロディが結構ある。
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