2008/03/23

車にまつわるお話

車を入れ替えた。

話は去年の8月に鮭のように遡る。

私のすてきな奥様が第3子懐妊とのことで、となると生まれ来る子も含め子供たちのベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートを今までの車、ホンダ・フィット(初期型)に入れ込むのは無理ではないか、と奥様と一緒に逡巡した。と言っても、それぞれが勝手にネット検索していただけだが。ちなみにそれぞれ個人用のPCを持っているので、同時にではあるが別々に検索も容易である。奥様のThinkPadの方が私のiBookより新しくて速い。家庭内力学バランス均衡のためには当然の措置*1である。しかも彼女は私よりネット依存度が高いかも知れん。

話を戻すと、第3子が小さい間、奥様が第3子の側に同乗する手前、現行のフィットでは助手席に第1子を乗せざるを得ず、安全装備であるはずのエアバッグが助手席+チャイルドシートの組み合わせでは安全上好ましくないことが判明。エアバッグ解除!という案も奥様から出たのだが簡単に解除できないし、一度解除すると元に戻すのも一苦労だし、助手席には大人も乗るはずなので、トータルの安全面では難色。

これが去年の秋頃。

しょうがないので金もないのに乗り換えか、ということでフィット継続使用案と並行して新車中古車国産外車を問わず候補車種をいろいろ探し続け、私は3列7人乗りくらいのミニバン、スバルのトラヴィックを中古でとか、マツダの2座x3列+1座のプレマシーとか、ホンダのステップワゴンとかかなと考えていたところ、奥様が大きなおなかを抱えながらネット検索で絞り込んだ上の1台は同じホンダのエディックス。3座×2列シートの6人乗りのちょっと変わったシート構成の車だ。

3人家族仲良し車という印象があったので、私の選択外でちょっと引いていたのだが、百聞は一見にしかず、百閲覧は一試乗にしかず、ということで試乗することにした。

これが年末頃。

奇跡的にも近くのディーラに試乗車があったので、家族全員で試乗してみたところ結構気に入った。

試乗で気づいた点は

  • 6座席分の3点式シートベルトが装備されている
  • 3列シートタイプのミニバンより6人乗車時でも実質的な荷室*2が広い
  • よって3列シートタイプのミニバンに比べ後部からの衝突に強い
  • フィットより大きく(幅x長さ比で1.2倍)、重い(重量比で1.4倍)
  • エンジン(2000cc:20X)は結構力がある
  • 5ATは滑らか (CVTのエンジンブレーキは楽しいのだが)
  • ワイドボディだがショートボディなのと前部の左右が大きくえぐられているデザインのためか小回りがきく
  • ライトの光軸(上下)調整がついている
  • 足回りが結構いなす感じで乗り心地が案外いい、かといってコーナーでも粘るしフラフラしない
    である(実際ワイドボディにはすぐ慣れた)。

まぁ、結構合理的に作ってあるなとの印象(メイン市場がヨーロッパであるせいか)。

しかし全く売れていない。色もどんどん減ってきて4色しかラインナップされていない。これはホンダが製造中止をするときの前触れである、と書いているサイト (2chだっけ?)があったし、後部座席シートベルト着用義務化が間近で、もしかしたら売れるかも、でもやっぱり売れなくて今が最後のチャンスかも、という甘い見通しも後押ししてエディックスに決定することにした。

金の工面は何とかするとして、現行フィットは下取りに出そうといつも懇意にしている営業マンのいるディーラにエディックスの見積も同時に依頼。下取りの見積結果は法定耐用年数が経過しているし、擦り傷が結構あり、車検も 1年も残っていなかったのでこの車を買って売る立場になれば妥当とは思うものの、オイルは定期的に交換し、消耗品もそれなり交換、ディーラで整備を行っており、リコールも対策済み、事故歴も無く、これと言って調子の悪いところのない車を売る方としては、ちょっと安い。しかも、フィットの中古車市場での相場は案外高い。

そこで、営業マンにはエディックスを買うが下取りは一旦後回しと伝え、親類縁者友人知人に声をかけたところ、奥様とも共通の友人である夫妻がセカンドカーの乗り換えにフィットを探していたと手を挙げてくれた(実際にはmixiでコンタクト)。求めていた色も同じアイスブルーであると。一度試乗に来てもらい、値段の交渉をし、既存セカンドカーの廃棄処理等をディーラにお願いすることを含め、縁談がまとまった。

これが年明け1月中頃から終わり頃。

エディックス発注から1ヶ月半が過ぎ、第3子が無事生まれて(私の代わりに奥様が生んでくれたのでこれを代理出産という)、3日後にはエディックスの納車、その1週間後にフィットの引き渡しとなった。

その間にETCの移設(セットアップはディーラに依頼したが作業自体は自分でやった)を行い、引き渡し前日にはフィットの荷物を移動させ、最後の清掃と洗車を行った。

このフィットは、パワステが渋く(個体差のようだ)、乗り心地が固めであったが(これは仕様のようだ)、安くて、広くて、荷物がたくさん積めて(食卓セット一式を1度に運んだこともある)、よく走って、それなりに燃費もよく、最後の半年は走り出して20-30分ほどで暖まるのか、ハンドル操作も加速感もブレーキもすごく気分よく働いてくれた。

ちょっと惜しい気がしたが、拙宅にフィットを引き取りに来た友人家族に代金と引き替えに車検証などの書類と鍵を首尾よく引き渡し、古いが友人家族にとっては新しく迎える車に友人の子供達がはしゃいでいるのを見たあと、このままディーラに廃棄処理に向かう友人夫妻の下で長年働いたであろうセカンドカーと好意を持って迎えられるフィットが2台が連なって去っていく姿を見ると、なんだかこちらもうれしい気がした。

私達はフィットを下取り提示額より高く売り、友人夫妻は中古相場よりは安い値段でフィットを手に入れ(たぶん)、ディーラは新車が売れたのでフィットの譲渡手続きは痛くもかゆくもなく、三者ハッピーのwin-win-winの関係となったのもうれしい。

しかし、車両代金の償却を15万円/年で考えているので、フィットでは10年乗る予定だったが譲渡代金合わせてもちょっと赤字で、そうなるとエディックスは15年は乗らないといけないなとか、ディーラの営業マンには言えないようなことを考えている。

15年は長いが、それまでにはガソリンエンジン車は毒ガス車扱いされていないのかとか、燃料も今のままリーズナブルな価格で提供されているのかとか、車の所有は負債だよと金持ち父さんは言っていたよなとか、いろいろ心配事はつきないのである(実はあまり心配していない)。

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