2012/07/07

前庭神経炎

2年前に週末のめまいと吐き気けとMRI検査という記事を書いた。
これが再発した。
結果、同じ病院での最初の診断は誤診だったようで、いまのところ2つ目の病院で診断された前庭神経炎で合っているようだ。初診のまま信じていたら今頃まだのたうちまわっていたかもしれない。
誤診は専門外とはいえ、医者の不勉強だろうが、そこをカバーできるようなシステム、例えばイギリスで始まったイザベル(Isabel)のようなシステムの支援が必要に思う。
運が悪かったとしか思うより他は無し。完治するし予後も良好だそうだしそもそも病気自体では命に関わるものではない(ふらついての事故はありそう)。
リハビリ期に来て、ヤル気があるのを感じるのはやはり疲れていたのだろうと思う(実感がないが)。そこをウィルスにつけ込まれた、というイメージを持っている。
ともかく、時間のやりくりから世話まで子どもたちの活動とパラレルでこなした私の素敵な奥様に感謝。

上のエッシャーの画像はめまいの感じが似ているので。前回の再掲
下の猫の画像はまさしく私が寝込んでいるイメージ図。実物もヒゲが伸び放題で毛むくじゃら。猫に近いものがある。これに嘔吐で胃が何も受け付けない感覚が表現できれば、この病気の厄介さを絵で表せそう。

以下は備忘録を兼ねての記録(4日目に思い出しながらそれまでのことをメモとして書き出して5日目から長文化した)。

1日目:7/2(月):発症と初診
普通どおり出社。9時半頃PCに向かって作業していると突然PCを中心に回転するような気分に襲われる。熱中症の時もこういう感じがあったので水分補給を捕るべく自販機へ向かうが心なしか真っすぐ歩けない。
無理に水分を体にいれこんで、10時からの会議に参加するも、気分悪く冷や汗が出てくる。10時10分に席を外してトイレへ駆け込み嘔吐。朝ごはんの一部を出す。
ひとしきり吐いた後、会議室へ戻る途中でもう一度トイレに寄り嘔吐。
これはダメだと思い、会議に戻り上司の許可をもらって早退を決定。
午後にお客様へ同行する予定だった部下同僚に行けない旨連絡、善処のほどよろしくとオフィスを去る。
ビルの前でタクシーを待っている間、私の素敵な奥様に「帰る。急に調子悪くなった。めまい、吐き気、冷や汗」とメイル。
タクシーで帰るが30分かかる。最後の最後で我慢できなくなり、「お釣はいらないから早く降ろして」と命令してしまう。こちらのコンディションが悪いこと、混んでいることを気を使ってくれた運転手さんだったのにと自己嫌悪感を感じながら、実際の吐き気には勝てず結局自宅の玄関を入ってトイレにまで辿り着く自信がなく車庫裏の庭に嘔吐。
家に入ってさらに嘔吐。ここで朝ごはん分を全部だしてしまう。
着替えてみるとズボンが下着の部分を除いて冷や汗で濡れていることを奥様が指摘。
体温を測ってみると3回測って34.8℃。低体温。
準備を整えてくれた奥様に以前お世話になった病院に電話してもらい、症状の説明と今行っても大丈夫か確認してもらい、ついでに奥様には運転もしてもらい、当日休みだった3号(♀4才)も同行して、病院へ向かう。
受付を済ませている間に病院のトイレで嘔吐。
体重と血圧を測る。体重はこれまでと変わらず、血圧は正常。
体温は35.8℃であった。
とりあえず処置室のベッドに寝かされる。寝ていると吐き気が弱くなる。
しびれや、頭の痛さ、耳鳴りがないか、などを聞かれて 「良性突発性頭位めまい症」と内科医の診断。前回のカルテからの診断に変化はないようだった。加えて、なでしこジャパンの澤穂希選手がかかっているめまいと同じだとの説明。
とりあえず点滴3時間。横になっている間、嘔吐はなかった。
3時間後、内科医が指を私の目の前30cmに立てて直視するよう促すので見つめると、焦点が流れる。
横にいた奥様にも右目が微動(眼振というらしい)しているのがわかるほどだったようだ。
薬を処方しても…というニュアンスだったので、処方薬なしで病院を去る。
家に着くとすぐ嘔吐。とりあえず横になれば嘔吐から逃げられる気がしたのでひたすら横になる。 とはいえ、唾液が胃に貯まると嘔吐する。
結局、この日食事は取れず。
小便は朝の1回と寝る前の2回だけ(普段食べすぎか水分摂り過ぎか…)。色が濃い。

2日目:7/3(火):継続と2回目の診断(病院変更)
朝、とてもじゃないが食事も取れず、出社できない旨会社へ連絡。
「良性突発性頭位めまい症」ということなら、ということで、無理してPCで検索すると「エプリー法」が有効な治療法とある。一人で試しに2度ほど試してみるが、何も変わらない。
この症状の専門医なら耳鼻科らしいこともわかったので、奥様の勧めもあり、近所にできた耳鼻咽喉科へ連絡をとってもらう。とりあえず来るようにとのことで、奥様の運転で車で移動する。
耳鼻咽喉科で待っている間もトイレで嘔吐する(唾液と胃液だけだよー)。
耳鼻科医に、耳鳴、頭痛、手足のしびれは無いか聞かれ(無い)、続いて「検討ついているんだけど…」と言いつつ、メガネのお化け(Frenzel眼鏡というらしい)をつけされて眼球の運動を診られ、首を上にストレッチさせながら左右に振り、再度眼球の運動を確認し、「これは前庭神経炎ですね」と言う(このときは「ぜんてい」の漢字がわからなかった。「前底」かなとか)。
耳鼻科医の先生は電話連絡の際から検討をつけていたようで、念のため行ったと。要は、 「良性突発性頭位めまい症」なら数分から数時間で症状はおさまるはずだし、メニエールでも脳梗塞でもなさそうだから、「前庭神経炎」だと。開業する前に務めていた総合病院でも診てきたらしい。先生の「してやったり」感を感じて、なぜかこちらも安心する。
ここで治療方針も決定して、まずはステロイド入の点滴投与、あとは自宅で内服による治療、一気に沈静化することは難しいらしく内服はとりあえず10日ほど。
ステロイド系抗炎症剤は最初の数日は多く、1日のうちでも朝を多くという風に量を調整される。
点滴開始前に嘔吐。血圧を測ると上が140! 普段は120以下なのに。嘔吐で気張ったせいかもしれない。
点滴開始してしばらくすると汗が出る。ステロイドが効いているのか(ウィルス vs 免疫)。
最初の30分の点滴間隔はゆっくり目でアレルギーとかを見て、問題なければ加速するということで、加速されて2時間で終了。
会計やら薬の説明やらを受けている奥様を待っている間にトイレで嘔吐。
奥様の運転で家に帰って嘔吐。車の中で鍵を握り締めていた。
ただ、この嘔吐の後、口を濯ぐと水がとても甘く甘く感じられた。万事物事は相対的哉。
この日もやっぱり食事は摂れずひたすら横になる。
外気は最高気温が30℃を超え、熱中症になる恐れもあるので冷えていないスポーツドリンクで水分補給だけは無理矢理行う。一晩で500mlを半分ほど。冷えていないスポーツドリンクはマズイもんだ。
夜の薬を飲む頃に吐こうか迷うが癖になっていそうなので我慢して薬を内服して寝る。
夜中に何度か起きる。翌朝起きるまで最後の2時間はいくつもの1行窓(PCの1行幅のウィンドウ)に字が出てきてその意味を考えているうちに目が覚めては寝ての繰り返し。 久しぶりの悪夢。

3日目:7/4(水):嘔吐が収まる
めまい感もまだあるし二日間とも食事も取れていないし、そのうえまだ30mもまともに歩いていない。出社できない旨会社へ連絡。
ただ、昨日一昨日の感じとはだいぶ違う。嘔吐感が収まっている気がする。
しかし、自分の体を信用していないのでモノは試しにと朝ごはんに奥様の実家から差し入れのジーマーミー豆腐を食す。いろんな意味でありがたい。でも量(50cc位)はこれが限界だった。
薬は食前の吐き気止め、食後のステロイド系を中心とした5種類くらいを飲む。これが10日間ほど続く。
食後に薬をパッケージから取り出そうとすると、焦点が合わないのか自分の指がまるで云うことを聞かないので慎重にしてしまう。オジイのようだ。横で見ていた奥様もそう思ったらしい。
横になる場所をソファに変え、いつの間にか寝てしまう。奥様によると口を開けていたそうだ。
寝ている間にその奥様がアイスを買ってきてくれた。ラクトアイスではなく、完全食のアイスクリーム! ハーゲンダッツ! お昼に頂く。美味しくて2個食す。
夜はジーマーミ豆腐と具なし味噌汁1/3椀にアイスクリーム。
嘔吐はなかった(気にしているということは不安があったということ)。

4日目:7/5(木):歩ける
仕事はやっぱり休む。
朝、パンにウィンナーと葉野菜などを子どもたちと同じ量。
もう嘔吐はないだろう、という感じがしたので、吐き気止めの薬は中止してもよいとのことだったらしいのでここで中止する。
お昼に冷やし中華半人前。食べられたので麺だけ半人前お替わりする。
午後はDVDの映画三昧。
横になってばかり。
夜はご飯(小)におかずなどもいつもの1/3以下。子どもたちより少ない。
この日の夜からPCを触る。30分くらいやっていると時々回る。体を動かさないと機能代謝が進まないようだ。

5日目:7/6(金):自主リハビリ開始
仕事は今更頑張ってもしょうがないという気になって上司のお言葉に甘えて休む。
朝ごはんは子どもたちと同じ量を食べる。
リハビリをやるぞと意気込むわけでもないが、何故かやる気があるので車の掃除、家の掃き出し窓の洗い、気になっていたズボンの洗濯を行う。ドラム式の洗濯機を除いても大丈夫、と見続けていたらバランスが崩れそうな瞬間があり、見ることはやめる。
お昼は奥様を誘って(運転させて)、リハビリを兼ねて、沖縄そばを外食。
夜はベランダが涼しいので奥様の実家から差し入れもあり豪勢に焼肉。
PCでの作業も長時間続けられる。
まだ、特に起き上がり時にふらつく感はあるが、日常作業を行うには支障が多くありそうでも無い。
あとは、どれだけ歩けるか。
週末にチェックしてみよう。



翌年に再発しました(今回は軽症)

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