2019/10/16

映画「フロリダ・プロジェクト」は猫が転生したらフロリダだったというお話

映画「フロリダ・プロジェクト」はやるせない映画だった。
親子の愛情以外は救いようのない主人公である母娘の、他に自分を守る術を知らないために吐き出す汚い言葉の数々と目を覆うばかりの行動で自己を確立している。
インド系女性フロントの「そんな言葉遣いだから、ろくに仕事にもつけないんだよ!」(うろ覚え)に対して若い母は飲みかけの瓶を逆さにして液体を床にばら撒いて去って行く、万事こんな調子である。
人間が繁栄している最大の理由である社会性が欠落してる。
社会と協調するのではない、自分が最優先である。
自由を履き違えてる? そうかもしれない。

ドキュメンタリーを撮っているかのような自然な演技、でもやはりそこは映画であって数々のカットをきれいに整理しているから、嫌気も併存しつつ見続けることができる。
エンディングだけは、一気にトーンが変わって、映画調を前面に出してくる。
マジカルエンドたる所以。

まぁ、あれだ。
猫は自分勝手だと人は言う。
言うことは聞かずルールは私だ、気分がコロコロ変わる、ってところか。
この映画は、猫が人間に転生したらそこはフロリダだった、というお話である。

(アメリカの貧しさって物質的なものではないということがよく分かるけどね)
(エンディングは、こうであったらいいな、という夢ですね)
(救いは母娘の愛情であって、このままでもいけないし、二人を引き離してもいけない。どうすりゃいいのか)
(邦題のサブタイトル「真夏の魔法」って一体どこから来たのか?)

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