2016/02/08

「選択の科学」(シーナ・アイエンガー著、櫻井祐子訳)

朝目覚めたときそのまま起きるか、または、二度寝を決め込むかどうか、夜眠くなったとき仕掛中の仕事を続けるかどうか、あるいは、そのまま眠るかどうか。
朝起きてから夜眠るまで、なんでもないような日常生活も選択の連続である。

ジャムの種類が多すぎるとお客は自分で何を選んでいいかわからなくなり、却ってジャムは売れなくなる、という実験と研究を行った人。
選択肢の数が多いと、人は混乱するらしい(7±2までが許容範囲という研究もある)。

本書は理路整然としていて、それなりのボリュームがあるにもかかわらず、冗長な部分があるようには思えなかった。
養老孟司の解説の一文にもこうある。
百聞は一見にしかず、と俗にいうくらいで、目で見るとアッというまに結論が見えてしまう。いわば目は論理を飛び越す。更に目が見えると、とりあえず無関係な様々なものも目に入ってしまう。だからホワイト・ノイズも多くなる。これが著者の最初の本なのに、筋が通ってわかりやすく、よく書けているのは、全盲のせいもあるかもしれない。(p.456)
なるほどと思ったが、全盲の人が必ずしも論理性に優れているとは限らず、元々論理に繊細な人が光がないことで力を得たのかと思う。逆境を跳ね返して武器にした強い人だなと思った。


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