2013/04/25

TED:アンドレア・シュライヒャー 「データに基づく学校改革」

OECDが2000年から実施しているPISA(Programme for International Student Assessment:生徒の学習到達度調査)の効果を定量的に訴える。
勘や経験、記憶に頼った当てずっぽうの教育改革の話ではないのが、当たり前だがいい。
韓国の飛躍が随所に現れる。


PISAについてはリンクのWikipediaのページを足がかりとしてみてもらうとして、
OECD加盟国の多くで義務教育の終了段階にある15歳の生徒を対象に、読解力、数学知識、科学知識、問題解決を調査するもの。国際比較により教育方法を改善し標準化する観点から、生徒の成績を研究することを目的としている。
いくつか興味深い箇所を引用する。

教育によっては、グローバル社会で最大7学年の差が出る。
上海とチリの15才を比べるとおよそ3.5学年分の学力差があることがわかります。成績が最下位層の国を含めると差は7学年分に広がります。今日の経済社会へ乗り出す若者たちは既に準備の段階で 大きな格差があるのです。
機会の平等性を犠牲にする必要はなく、却って全生徒に機会を与えたほうが良い。
国際比較による 大きな発見の一つが優秀な成績を収めるために機会の平等を犠牲にする必要はないということです。こうした国々が目指してきたのは一部だけではなく 全生徒の能力を高めることです。重要な教訓です。学校で人を選別するという ―教育システムへの批判でもあります。
明日の教育を重んじることが成功の第一歩である。
私達がPISAから学んだことは優秀な教育システムでは国民が納得して今日の消費より明日の教育を重んじるように指導者が呼びかけていることです。信じられないかもしれませんが、皆が行きたがるのがショッピングセンターではなく学校だという国があるのです。本当の話です。
個の違いを認めた多様性に対応した教育が有効である。
かつては生徒が多様でもほぼ同じ方法で指導していました。PISAの成績が上位の国では生徒の違いを認め ― 個に応じた教育活動を行っています。そういった国ではどんな生徒にも優れた才能があると考えて個に応じた学習機会を用意しています。
教育システムも大事だがより大事なのは教師の質である。
これは一人あたりの教育のための支出を見ても明らかである。
どの国でも重要なのはシステムの質よりも教師の質です。成績上位の教育システムでは教員採用と研修に力を入れています。教員採用と研修に力を入れています。
教育の改革を自分自身で行うには困難が伴う。
PISAならばその手助けができる。
教育行政の変革を「墓場の引っ越し」にたとえる人がいます。中にいる人に手伝ってもらえない(笑)一方 PISAは教育の可能性を示し ―改善が可能だと気付く手助けをしています。

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