2014/12/31

少年の屋外キャンプ in ヤンバル

先日、1号(♂14才)が、ボーイスカウントの1泊の野外キャンプへ出かけた。
場所は、源河川(げんかがわ)上流にあるボーイスカウト沖縄県連盟が保有するキャンプ場である。
源河川は那覇市から車で1時間半ほど、名護市の最北部にある。
携帯の電波も入らない(!)いわゆるヤンバルの森の中。

1枚目の画像、水の透明度が半端じゃない。
いつもより水量が多いとのことだ。
2枚目の画像、少年たちのテント設営場所。
隊長(大人)家族も同行しているが少し離れたところにテントを張った模様。
テント設営も火起こしも食事も少年たちの自営。
外界から隔離され管理されているようで管理されない絶妙な環境でのキャンプ。

3枚目、お迎えの朝の残り火。
隊長に伺ったところ、沖縄県内のボーイスカウトは屋外キャンプにこの場所ではなく県内に幾つかある少年自然の家を使うことが多いらしく、ところが、最近その少年自然の家ではキャンプファイヤーが禁止されて、火を扱うのは炊事場だけで、これってどうなんだろうね? ということだった。自然の家の運営管理が民間委託されたのがきっかけで、危険排除、事故防止が目的らしい。
触って熱いという小さな経験がなければ却って大やけどをするのに、と他の保護者たちとの話し合った。
4枚目、ヒカゲヘゴを見上げる。
周囲には何本もあった。
この場所は湿地帯らしく、土地の利用価値は著しく低いとのこと。
5枚目、木製の電柱を途中でカットした杭の上に、クワズイモ系の何かが自生していた。苔付き。
ヤンバルの森の中で生き残るのは大変だ。
6枚目、2号(♀10才)と3号(♀6才)。
お迎えには彼女たちも一緒に連れて行ったのだが、案の定、大はしゃぎ。他のお子さんたちとあちこち探検しつつ川遊び。

1号は思春期の難しいお年ごろで、高校受験も控えている。
しかし、少年時代の仲間同士の野外キャンプなんて大人になってもそうそう簡単に忘れることは無いよな。
自立しつつあるこのタイミングでのこの経験は他の何ものにも代えがたいはずだ (きっと、たぶんね、だったらいいな)。

2014/12/24

クリスマスプレゼント (サンタはいるか?)

昨日12月23日は祝日だったので、家族全員揃っての夕食となった。
食卓を囲んでグラタンなどを頬張りながらクリスマスの話題になったとき、1号(♂14才)が、「クラスにさ、中学生なのにまだサンタを信じている奴がいるんだよね」とのたまうた。まだまだサンタを信じている2号(♀10才)と3号(♀6才)の目の前で。
話をそらすことには成功したけど、サンタクロースの実在性は証明済みである。
しかし、妹達への配慮に欠ける1号にはサンタクロースからのプレゼントはきっと来ないであろう。


そうは言っても、親としては、見たこともないサンタクロースから契約書なしで請け負った「納期厳守」「機密保持」の業務なんで、ないがしろにするわけにもいかないのがつらいところ、と勝手に思っている。
本人たちがプレゼントとして期待しているモノとは別に、親として3人それぞれに本を贈ることにした。

1号へは「これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景」である。
ツイッターで面白いという人がいて、アマゾンのレビューの星5つだらけ、何よりも紹介文がそそる。
「まれか、ややまれか」の章で、モーリシャスの生物保護活動家たちの超人的な奮闘ぶりと、彼らの奇矯だが筋金入りの生活をユーモラスに写し取る手腕はアダムスの真骨頂。絶滅危惧種の保護活動は第一日目から絶望的なチャレンジだが、消えゆく生きものを守りたいという衝動を理屈を超えて引き受ける人々を、本書はからりと、しかも生き生きと描き出している。

深刻なテーマだからこそ笑いの力を感じさせる、
愛すべき、愛すべき一冊。

滅び行くもの、について考えを巡らせてもらえば御の字である。
2号の分もツイッターでご紹介があった「女の子の品格 - オシャレで頭のいい子になる方法」だ。
彼女はおしゃれに興味を持ち始めているし、本もよく読む。
それよりも何よりも目次にあったこれに惹かれた。
「ホラー映画で生きのこる方法」
品格と関係ねー。
この皮肉っぷりから察するに作者はイギリス人かな、と思ったらブラジル生まれのイギリス育ちらしいので、当たらずといえども遠からず。
原作は "The Girl's Book: How to Be the Best at Everything" らしいので、何にでも(どんなときでも)最高であるための方法、が直訳。
原題のほうが「品格」に惑わされず、誤解は少なそうだな。
ユーモアを片手に生きていけば、将来辛いことがあってもなんとかなるさ、と脳の何処かに刻みこんでくれたら、そしてそれを必要なときに必要な分だけ取り出してもらえれば御の字である。

3号に関しては、真面目な絵本「賢者の贈り物」にした。
肉食欲と物欲にとらわれがちな3号が読んでくれたら、いや、読んでさえくれたら御の字である。
あぁ、でも読後には絵本の中のヒロインを演じるのではないかと想像する。
でも、実は情に厚いところもあるので、この絵本の反応でそれを見てみたいというのもある。


それにつけても、サンタクロースって、
  • 白髪ヒゲモジャのご老人の余生の暇つぶしで始めたボランティア
  • 空を飛ぶトナカイとソリに加え、おもちゃのプレゼントがどんどん湧いてくる袋が資本で他者の追従を許さず
  • 深夜に各家庭を回って配達する商売が軌道に乗ってきた
  • いつの間にかまるでコカコーラのように世界中の誰もが知っているグローバル化の最先端
  • 当初は個人事業主
  • 協会を組織した
  • 資格がある
  • 若い女性がビキニ姿で自身に扮することも問題ない男女平等の精神を獲得している
  • 働く日より休んでいる日が多い
という、何かと先進的だし、世界中の子どもたちをいち早く洗脳し、親たちをも巻き込むなんて中々の策略家でもある。


2014/12/22

太陽光発電実績(2年と2ヶ月経過)

太陽光発電が2年経過したのでちょっと遅れたがここで報告。
前回のレポートは「太陽光発電実績(1年目)」になる。
グラフの見方は次のとおり。
  • 「買電額」(オレンジ)は沖縄電力へ支払う額。マイナス表示。
  • 「売電額」(グリーン)は沖縄電力へ売った額。プラス表示。
  • 「自家消費額」(ブルー)は太陽光発電力を自家で消費した分、沖縄電力の購入単価をかけて買った場合相当とみなしたもの。プラス表示。
月の 「節約額」=「売電額」+「自家消費額」 の平均は1万円ほどで、この累積額が投資額の回収分になる。
結論から言うと、投資回収は稼働から12年後、今から10年後と出た。稼働前の計画より2年ほど伸びた。
原因は、2年目の発電量が低めであったこと。また、同じ2年目の電力消費量が多めであり、これは今年の夏は暑くて風向きが悪くてエアコンを使わざるを得ず電力を消費したことこと(2014年7月〜9月)。
対策は待機電力の削減だろうけどねぇ、目標は500kWh/月以下なんでオーバー気味であるが今のところ倹約より生活が優先。
今の職場の最前線を引退する頃には回収が済んでいるはずなので慌ててはいない。

以下の表は、平均値、最小値、最大値、標準偏差と累積値。
期間は2012年10月から2014年11月の26ヶ月間。
電力単価(27.7円/kWh)は沖縄電力からの請求実績を元に逆算した。
 また、発電量は日射量に相関が高い。2年間を通してみると平均値はほぼ平年通りであったが、標準偏差が平年(過去30年)より大きいので、天気の振れ幅が大きかったと読める。
日射量のデータは気象庁の統計のサイトから。

発電実績



平均()
最小
最大
標準偏差
累計
累積月数






26
消費量
100%
kWh
-
512.8
443
725
64
13,334
発電量
58%
kWh
+
297.0
180
440
74
7,722
自家消費量
26%
kWh
+
132.5
93
197
30
3,445
売電量
32%
kWh
+
164.1
86
256
46
4,266
買電量
74%
kWh
-
379.9
313
528
52
9,878
売電額
42
/kWh
+
6,636
3,612
10,752
1,937
179,172
買電額
-27.7
/kWh
-
-10,134
-14,626
-8,670
1,438
-273,621
売電額ー買電額

-
-3,498
-8,006
1,583
2,690
-94,449
自家消費額
27.7
/kWh
+
3,534
2,576
5,457
842
95,427
想定買電額(導入無し)
-27.7
/kWh
-
-13,680
-20,083
-12,271
1,782
-369,352
節約額(売+自家)

+
10,182
6,188
15,721
2,691
274,903
全日射量

MJ/m^2

14.7
8.3
23.4
4.4
381.3
全日射量(平年)

MJ/m^2

14.3
8.7
20.8
3.9
375.6
全日射量(平年比)

MJ/m^2

102%
89%
126%




====

電力5社の再生可能エネルギー受け入れ停止措置は再エネ発電市場と電力側設備投資のスピード感の違いや精査の甘さからくるちょっとした怠慢でしょうね。

2014/12/15

スタンドライトの修理 (WD-40で復活)

ここ1、2年ほど、アーム型のスタンドライトがスイッチが引っかかりがちで、接触不良っぽく、点灯も不安定だった。

塗装が剥げかかっていることからわかるように年季が入っている。
進学のため東京で一人暮らしを始めた頃、となるともうすぐ30年になる。我が家の電気製品の中では最長である。

知り合ったばかりの同級生が「スタンド要る? 欲しいなら譲るからその代わり取りにこないか」と言うので、二つ返事で彼の家に行ってみたら、1,500円を請求され「譲るって言うのはタダのことじゃないのかよ!」と心の中で叫んだアホな思い出が蘇る。
私にとって学生の一人暮らしは金銭面での四苦八苦することと同義語だった。

傘の内側の製品シールには「(株)キャリア」「CA-380」という型番が見えた。
電気製品を制作しているような企業を検索してみると、これかな。

見た目だけでなく機能的にも限界なら、そろそろ買い替えころかな、次の候補を物色していた。


2枚目の画像はアーム型スタンドライトの頭頂部。
頭頂部のロータリースイッチを覆っていたプラスチックのつまみは数年前に破損したため今はもう無い。

ものは試しにと、ロータリースイッチを外して清掃しようと考えた。
ついでだから、もう壊れてもいいのでWD-40を吹きかけようとも考えた。
スイッチを外して、WD-40をスイッチに浸透させるように軽めに吹きかける。
ティッシュで余分な油を拭きとって、スイッチを元に戻して、スイッチをひねる。
スイッチはスムーズに動き、一発で点灯、その後も安定している!

明かりをつけるときは外観は目にはいらないので気にならないし、 機能的に復活したので、寿命が伸びた。
もう少し使わねば。
WD-40は父親が車のメンテで多用していあこともあり、親しみがある。
沖縄では潤滑油といえばこれだった。
KURE 5-56に似ているが、油成分がすぐに揮発したりプラスチックには使えない5-56よりは、万能選手のように思う。
沖縄ではDIYの店に行けば簡単に手に入るが、アマゾンでも売っているようだ。 

追記 (2014/12/18)
WD-40のテクニカルデータはエステートレーディングにある。
丁寧に書かれているので使いたい方は一読をお勧めする。
(画像はWikipediaから)

2014/12/14

続09) Arduino始めてみた - 電池電源だと誤動作する (原因判明)

追記(2014/12/15)
この記事の再現性に疑義が出たので結論は一旦撤回する。
具体的には回路を切り離して別の電池電源にしても以前と同様な症状が出た。 
不具合箇所切り分けして特定の後に再度記事にする予定。

====

アナログポートに空きがあるのに気づいたので超音波センサー(HS-SR04)の2つあるうちの一方をそこにピン替えしてみても、症状は変わらず、USB接続OK、電池電源NGであった。
ピンの問題ではなさそうである。

となると、残るは電池電源の定電圧出力回路が怪しい。
画像1枚目はアマゾンの画像だが、回路は電池ボックスの裏についている。
回路が裏にあると電池ボックスの固定に支障が出るので実際には2枚目の画像のように引き出している。


試しに、この低電圧出力回路付き電池ボックスの接続を外して、単3電池4本の電池ボックスを使用したら、およよ、正常に動いた、動いた。

症状と障害箇所切り分けの結果から推測するに、この回路からのノイズが誤動作の原因と思われる。
スペース効率を狙って単3電池2本で5Vを出力する回路がついている電池ボックスをUno用電源としたのが仇となったか。

電池ボックスを大きくせざるを得なくなったので、全体のレイアウトから検討しなおさなければならなくなったようだ。
むむー。

(追記)
リンク先のアマゾンの説明を見てみると、
  • 最大定格電流は200mA。リップルは150mV、135KHz。
と書いてあるな。
もしかして、電力不足だったか?
  • Uno 50mA  x1
  • HC-SR04 15mA x2
  • GY-271 0.1mA(推測) x1
  • ツインパルスセンサー 不明 x1
  • モーターシールド 不明 x1
  • (モーター 別電源のため対象外)
どうなんだろう。

(追記2)
「原因判明」というよりも、発生箇所の切り分けが出来た、が適切ですね。

2014/12/11

さや管ヘッダーから漏水

この間、車庫の天井が濡れているのに気づいた。
前の日の雨のせいかと思ったが、今までこんなことはなかった。
はて? と思い、真上にあるのは床の下なので、これはおかしいと、床の点検口をひらいてみたところが、画像の1枚目。
2枚目の画像はさや管ヘッダーをアップしたところ。
使っていない口を止めるナットが腐食してそこから水が漏れているようだ。
この漏れた水が階下の通気口から漏れ、車庫の天井に伝わったようだ。
さや管やヘッダー自体には問題はなさそう。


3枚目の画像はナットのアップ。
水に常時接触するところに腐食するような材料を使うの? こんなのあり? と思った次第。

私の素敵な奥様が建設会社に連絡して、工事会社がナットを交換して復旧した次第。

2014/12/10

続08) Arduino始めてみた - 電池電源だと誤動作する (原因判明かな)

前回のポスト 電池電源だと誤動作する (ノイズか?)に関して誤動作の原因が分かった。
どうもUnoやMegaではデジタルピンの13番は基板のLEDにつながっていることが誤動作の原因らしい。
Unoの回路図はこちら(PDF)。
Megaの回路図はこちら(PDF)。

その前の前のポストではこう書いた。
となると、UnoでDCモーターを4ch利用する場合、デジタルピンの空きは2番、9番、10番、13番の4本となる。
アナログピンは6本ともオールフリー(使用可能)。
で、超音波センサー(HC-SR04)がその空いたデジタルピン4本をフルに使用している。
アナログピンもボールセンサーで4本、方位センサーで2本を使用しており空きがない。
そこで誤動作しているっぽい。
PCからのUSB接続だと、スケッチの流し込み直後はUnoのLEDは点灯をしているのに、電池駆動だとたしかにUnoのLEDが消灯している。
また、INPUTとOUTPUTのピンを(スケッチでも)入れ替えても電池駆動だと結果は変わらず誤動作する。
USBと電池の差が分からないが、電力供給能力の差だろうか。


じっとUnoの回路図を眺めながら、他に間違いがあるようにも思えず、うーむ、どうしたものか。

さしあたっての解決策は、
  • 超音波センサーを4端子使用から3端子使用に変更して、空き端子を増やして13番ピンを使用しない
  • UnoからMegaに戻して空き端子を増やして13番ピンを使用しない
くらいか。

====

画像はメカナムホイールとダイセンのモーターとの接続用ハブ。

2014/12/08

炭酸ティーへの試み (2013年1月のツイートから)

我が家の食卓の話題に炭酸ティーの試みの話をしたところ、案外盛り上がった。
これはツイッターだけではなく、ブログに上げるべきだと気づいた。
ここに謹んで転載する。ちなみにここで炭酸ティーとは、炭酸水にお茶を混ぜたものである。
まずはきっかけ。
第1弾は緑茶。


第1弾は失敗に終わる。
第2弾は紅茶にする。

ということで、緑茶も紅茶もいいところを潰しているようで、あえなく断念。
ちなみにどこにも書いてませんがコーヒーもダメです。

2014/12/07

続07) Arduino始めてみた - 電池電源だと誤動作する (ノイズか?)

時間が空いてしまったが、センサー満載のマシンがCPU基板(Uno)を電池から電力を供給すると、誤動作する。
PCをUSB接続した状態(電力がPCから供給される)だと期待通りの動作する。PCをUSB接続した正常な状態から、電池から供給に切り替えると(USBケーブルを抜く)、誤動作が始まるのでトリガーは電池からの電力供給で間違いない。
 モーターとCPU基板の電源(電池)は別である。
電池の電圧も正常である。
となると、ノイズかな。

2014/12/01

父親の魔法

幼い子といる時、父親は自動ドアの前に来ると手をかざす。
自動ドアの赤外線センサーが二人を感知する。
父親はドアが開くタイミングに合わせて手をスライドさせる。
あたかもかざした手が、触れてもいないドアを開けたかのようだ。
これを何度も何度も繰り返していくうちに、彼女は自分の父親には魔法か超能力があると信じるようになる。

ここまで来ればしめたもの。

ある日、彼女が父親と空港に行くと父親のさらなる力を目の当たりにすることになる。

父親の魔法はドアを開けるだけではなく、今度は片手で飛行機を飛ばしているのだから。

====

「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」とはクラークの三法則の一つ。
「なんでも」「どこでも」「いつでも」センサーがあなたを見張っている今の時代。
センサーの先の仕組みに思いを馳せることができれば魔法使いになれるし、知らなければ誰かの魔法に身を委ねることになる。

画像は父親の魔法で眠らされた子どもたち。

2014/11/23

続06) Arduino始めてみた - 方位センサー (GY-271/HMC5883L)

サッカーでは、自分のゴールと相手のゴールを区別し無くてはならない。でないとオウンゴールを量産する。 ということで、ロボカップジュニアでは、ゴールを青色と黄色に塗り分けて敵と味方を区別している。
ゴールの色を識別する方法が人間のやり方に近いけど、色を認識するセンサーは精度と反応速度の面からあまり主流ではなく、代わりにその場の磁場を読み取ってマシンの向きを検知する方位センサー(地磁気センサー)が主流である。
方位センサーで何が分かるかというと大雑把に言うと、画像のXY軸が地面に平面方向で方角がわかり、Z軸で地面に対する傾きがわかる、でいいかな。
また、現実的には建物内の電力線にから電磁波は撒き散らされているので地磁気センサーから取得したデータをそのまま使うことができない。補正する必要がある。 後述する。

GY-271
私のマシン用には、いくつかの候補の中から安価なGY-271を購入した。
GY-271は3軸の地磁気センサーHMC5833Lに電源チップやI2C通信機能などを加えてコンパクトに使いやすくしたもの。
重要なのはHMC5833Lである。GY-271の中央にある黒い正方形の箱がそれ。
詳しく知りたい場合はこちら(英語)を参照する。
サンプルプログラムを単体試験で使用した。
また、データシートはこちら(PDF/英語)。
データの取得間隔は15Hz (67msec周期)。
1枚目の画像がGY-271を取り付けた図。緑色のボードの裏側に取り付けた。間に合わせのやっつけです。
環境電磁波からの影響を避けるためにもう少し高いところに設置したかったが、手持ちの材料ではこれがイッパイイッパイ。

Arduinoに接続
GY-271には5本の端子が出ている。また、I2C通信なので信号はSCL/SDAに接続する。
それぞれの接続先は次のとおりとなった。
  • VCC → 5V (+)
  • GND → Ground (−)
  • SCL → A5 (SCL)
  • SDA → A4 (SDA)
  • DRDY → 接続しない 
2枚目はGY-271を裏から見た画像。
ボードに端子用の穴を開けている。

方位を知る
GY-271から取得できるデータは、X軸、Y軸、Z軸の値である。
XとYは北を向くと数字が小さくなる。
参考までに、地磁気には偏位があるので(磁気偏角)、地域によって方位が偏る。
国土地理院のページを参照。

さて、方位センサーでXとYの値がわかると、中心(X0,Y0) = (0,0)からの角度が分かる。
(X0,Y0)を基準として、XYの値から角度を求めるには、タンジェントの逆関数を使えばよい。
具体的には次の式となる。
角度(ラジアン) = atan2(y,x);
// atan2(y, x) : arc tangent of y/x
または、角度(°)だと、
角度(°) = atan2(y, x) * (180 / PI);
// PI = π = 3.14159265...
もしくは、Arduinoに用意されている次の定義を使ってもOK。
角度(°) = atan2(y, x) * RAD_TO_DEG;
// RAD_TO_DEG = (180 / PI) : ラジアンから度(°)への変換
地磁気データを補正
しかし、地磁気というのは、周囲に電磁波があると影響される。
建物の中などで電力線が電磁波をまき散らしていると、地磁気センサーで取得する値が大きくずれてくる、というのが現実である。

追記
以下のサイトが非常に参考になった(ほとんど真似っ子である)。
demura.net - e-gadgetやTJ3から使える地磁気センサGY-271(HMC5883L使用)



2枚目の画像が、マシンを回転させて、その時のGY-271の値を読み取り、グラフにプロットしたもの。横軸がXで、縦軸がY軸である。

3F-1の(青色)と3F-2の(緑色)は自宅の3階のPCデスク上 、2Fの(黄色)はその真下の2階である。
また、取得したXYのそれぞれ最高値と最小値から円の中心を求めてある。
すると、どうでしょう、円の中心は(0,0)ではなく、大きずれているのが分かる。
しかし、このプロットされた値をそのまま使うと角度がおおよそ260°〜315°くらいの範囲となり、マシンがどこを向いても常に一つの方位をむいているように見えて、結局値からはマシンがどこを向いているのか分からない。
よって、中心点を(0,0)に補正する必要がある(引き算ですね)。
角度補正(°) = atan2(y - centerY, x - centerX) * (180 / PI);
また、別の日に取得しした、自宅3階と大会会場の中心点の記録が残っていたのでがプロットする。3階3F-3が(橙色)で、大会会場が(赤色)である。
グラフからも分かるように3F-3と大会会場は3F-1、3F-2と2Fとは中心点がずれている。
その都度場所に合わせた補正が必要になることがわかる。
(HMC5833Lのデータシートを読むと、そもそもこのセンサーの値は大丈夫かという気もするが、実用上はグラフを見ての通り、方位を求められるのでなんとかなると考えている)

実践
以上の準備を経て、マシンを試合コートに設置した時に相手ゴールに正面を向け、電源を入れると、そこを正面=「0°」とするように補正し、常に正面を向くようにスケッチ(プログラム)を仕上げることとした。
まず、試合前の準備として、コート上の地磁気の補正のためにマシンをスピンさせてXYの中心値を求める。
上記の結果、本番のスケッチでは地磁気センサーに関して次の動きを行う。
  1. 宣言
    1. 中心値を定義する 
  2. setup()
    1. 補正1(中心):中心のズレの補正を行う。
    2. 補正2(角度):電源を入れた時(つまり初期値)、正面の角度を「0°」に補正する。
  3. loop()
    1. 正面軸(0°)とのズレを常に監視して、ずれたら「0°」を向くようにマシンを左右にスピンする。

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