amazonの書評で言及されているとおり、邦題がよくない。
原題"Super Crunchers - Why thinking-by-numbers is the new way to be smart"はGoogleアドワーズを使ってGoogleである言葉を検索した結果の画面に二つのタイトル候補を交互に表示させ(結果、無作為抽出となる)、クリック率の高かった方をタイトルとした、とのことで本の内容と整合性がとれているし、実例ともなった。邦題は本文中の訳者注にも書いているとおり、編集者の直感で決めたらしく、専門家(直感)時代の終わりを感じさせて皮肉なものとなった。
この本のキーワードは、絶対計算、無作為抽出、回帰計算、直感(これまでの専門家)の終わり、などで、タグチメソッドを使って効率的にデータマイニングをしている例も挙げられていた。
この本の特筆すべきところは巻末に41ページも使って引用元を明記しているところであり、引用元がURLを公開していれば簡単に、雑誌や論文であれば努力次第でソースにアクセスできるのがうれしい(英語ですが)。
絶対計算にたいする入門書、啓蒙書なので、3年後には当たり前のこととなって陳腐化しているか、当たり前でなく無視されるか、どのみち今が旬の本である。
ところでこの本には無作為抽出によってビジネスの展開を図っている企業が数多く紹介されていて、そのうち結婚相手(恋人)紹介企業には「紹介する相手のタイプ」に対する考え方が企業によって異なって反映されていて面白い。
- eHarmonyは似たようなタイプの人(安心感、協調)を紹介する
- Perfectmatch.comとTrue.comは異なるタイプの人(魅力、冒険)を紹介する
私はどちらもどっち着かずと考えていて、相性は
- 好きなものは同じでも違ってかまわない。またはそれが魅力であり相乗効果。
- 嫌いなものは同じである方が望ましい。生き方の基礎。
と考えている。
一緒に暮らす、一緒に日常生活を営むなら、嫌いなことを我慢するより好きなことを我慢する場合のほうが、好きなことを貫きつつ嫌いなことをイヤでもやる場合よりもマシではないかと思う。当然、嫌いなことを我慢せずに好きなことを貫けるのがベスト、相方がその分嫌いなことを我慢する必要もなく、好きなことも出来なくなるリスクを背負うことにもならず、納得ずくならそれはそれは言うことはありません。
(参考)
Orley C. Ashenfelter ワインの質の科学的予測の先駆者
Farecast.com 飛行機運賃の予測と確かさの実践
CapitalOne.com クレジットカードとマーケティングの実践
eHarmony.com, Perfectmatch.comとTrue.com 結婚相手紹介におけるマッチングの実践
EBM(Evidence-Based Medical), イザベル("Isabel") 医療、診断における回帰計算結果による実践
Direct Instruction マニュアル・シナリオに沿った教育法に対する検証
0 件のコメント:
コメントを投稿