2015/03/13

成年後見人申立 (02) - 申立の準備

前回の続き。

成年後見における財産管理も身上監護も、ペットの猫の面倒を見るのと同じではないか?
ほんとうか?

申立準備開始 (家庭裁判所訪問)
もの忘れ外来での診察の翌日には、私の素敵な奥様が最寄りの家庭裁判所を訪れて、事情を説明した上で成年後見人を立てるための手続きはどうしたら良いのか伺う。
候補となる人(私)を連れてもう一度来てくださいということで、年末年始の期間を挟んで受診から1か月後の1月中旬に仕事を休んで奥様と2人で伺う。
認知症の診断は出ているのかなどを聞かれて、「成年後見人とは」というようなDVDを見る。裁判所のサイトに動画が置いてあった(こちら)。
その後、これから必要となる書類の説明があり、申立までに揃えておくようにとのこと。
説明を聞き逃さないよう集中しつつも、家庭裁判所って、毎日代わる代わる異なるトラブルを抱えた人たちを扱うのだから、その中で自分を見失わずに人間性をキープするのは大変だろうなぁ、という感慨に浸る。

申立準備 (資料集め)
さて、用意しなければならない資料は次の表の通りで、番号を振って、チェックリストとして機能させた。
項目の中には、本人に該当しないものも含まれているし(3-3の精神障害者保健福祉手帳)、同時に成り立たないものもある(6aの不動産(全部事項証明書)と6b不動産(無資産証明書)など)。そういうのは揃える必要はない。

6の財産目録と7の収支表は、申立の必須資料ではないはずだが、那覇家庭裁判所では求められる。
これは、財産目録と収支表の作成能力を計ることで、候補者の適性を見る、無駄な申立を削減する、などの効果を見込んでいるからと思うが、どうか。
資料を集める中で、年金証書が見つからないとか、いろいろ証拠書類が母親の手元からは見つからず、なかなか時間がかかる。そもそも証拠書類をきちんと管理できているのなら、 後見の必要はないので、これから資料を揃えようとする皆さんは心してかかるべし。

私の素敵な奥様の活躍もあって、手元にない資料(年金証書とか)を再発行させたりして、1ヶ月かけて、総数40枚位の資料になった。
しかも、その書類のサイズ指定(A4縦)やコピーの余白などの指定がうるさい。でもそれには事情があるようだ。次の記事で述べる。
ちょっと苦言を呈したいのは、基本的に手書きを想定しているところ。
今回は、手書きするネタは事前にPCに書いておいて、清書はそれを見ながら手書きしたので、その手書きに全部で3時間ほどかかった。
手書きでなく、PCのフォントで印刷されたものを使えば、スキャンしてOCR機能を使ってテキストに起こすことも難しくはなく、保存に際しての電子化も容易である。
ここはなんとかしてほしい。

書類対象取得先、記入者
1-1.後見開始申立書申立人(私)記入する
1-2.戸籍謄本本人(母親)市役所
1-3.住民票または戸籍附票本人市役所
1-4.登記されていないことの証明書本人法務局
1-4a↑ 戸籍謄抄本等親族を関係を証する書面後見人候補者(私)市役所
1-5.住民票または戸籍附票後見人候補者市役所
2-1.申立書附票申立人記入する
3-1.診断書(成年後見用、家裁提出用)本人病院
3-2.鑑定に関する連絡表本人病院
3-3.精神障害者保健福祉手帳他本人市役所
4後見人候補者事情説明書後見人候補者記入する
5親族同意書

5a親族同意書1配偶者(父親)配偶者(父親)
5b親族同意書2親、子、兄弟親、子、兄弟
5c親族同意書3親、子、兄弟親、子、兄弟
5d親族同意書4親、子、兄弟親、子、兄弟
5e親族同意書5親、子、兄弟親、子、兄弟
5f親族同意書6親、子、兄弟親、子、兄弟
5g親族同意書7親、子、兄弟親、子、兄弟
5h親族同意書8親、子、兄弟親、子、兄弟
6財産目録後見人候補者
6a不動産(全部事項証明書)本人管轄の法務局
6b不動産(無資産証明書)本人管轄の法務局
6c預貯金(通帳の写し)本人
6d生命保険(保険証書の写し)本人
6e有価証券(取引残高報告書)本人
6f有価証券(お預かり残高等明細)本人
6g消費財産(借金:ローン契約書又は借用書)本人
6h消費財産(支払明細書)本人
7収支表後見人候補者

収入内容を証明する資料

7a年金証書の写し本人
7b年金振込口座通帳の写し本人
7c恩給等の支給に関する写し本人
7d軍用地代に関する書類本人
7e確定申告及び収支内訳書(不動産収入ありの場合)本人
7f給与証明書本人
7g特別弔慰金の支給に関する書類本人
7h生活保護に関する保護決定通知書本人

支出内容を証明する資料

7i施設利用料、入院等の領収書本人
7j健康保険料納付書本人市役所
7k介護保険料納付書本人市役所
7L固定資産税納付書、県市民税の通知書(公租公課)本人市役所
7m地代・家賃等の領収書本人大家
8親族関係図後見人候補者作成する


(参考) 成年後見人制度の考え方
冒頭の問いかけの正解は、人には権利があるが、猫には権利がないので、同じではない。
次の資料には、裁判所の手引書等では分かり得ない、後見人制度に関する周囲の情報について肉付けされていて、とても参考になる。
例えば、35ページには以下のようにある。
[3]成年後見制度
(1)成年後見人等の役割と職務
新しい成年後見制度には、3つの理念がある。1つは自己決定の尊重。基本的に自分のことはなるべくその人の意思に任せて、その決定したとおりに実現させてあげようということ。2番目は残存能力の活用で、もしその人にまだ判断能力が少しでも残っていたら、その能力をできるだけ活用して、できることは本人にさせようということ。そして3番目はノーマライゼーション。これは、 意思能力に問題があるからといって施設等へ入れて社会から隔離しておこうということではなく、 なるべくそれまで生活してきた環境の中で、今までどおりの生活をさせてあげるという考え方である。
「新しい成年後見制度」とは2000年4月から施行した現行制度のこと。

続く。

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画像は我が家の猫。
彼女には財産と呼べるものが、美貌と愛嬌と家来(人間ども)くらいしか無いのだよね(十分だね)。


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