実家の母親が、昨年12月に認知症(アルツハイマー型と血管性)と診断されたのをきっかけとして、このたび彼女の「成年後見人」の申立を行った。
私がその後見人の「候補者」(=後見人になろうとする人)である。
つまり、私が、彼女に成り代わって財産を管理し(財産管理)、彼女の世話(後見=身上監護)をすることを法律で認めてもらおうということだ。
まだ、家庭裁判所から後見人として認められてはいないが、いつかどこかの誰かの役には立つと思うので、以下は成年後見人申立までの備忘録として記す。
もっとも、「いつかどこかの誰か」というのは大概の場合は未来の自分だったりするのだけれど。
「?」な行為のはじまり
昨年のお正月、母親の実家(僕のオジーとオバーの家)の訪問と初詣の帰り道、車の後部座席の母親から「ここどこね?」と辺りをキョロキョロしながら、私は宇宙人にさらわれた人類、のような態度を取ったのが僕にとって初めての「?」であった。
続いて、昨年夏ごろの叔父の葬儀の時、叔母に呼ばれて「あなたのお母さん、XXXでXXXということがあって、それにXXXもあったし、XXXでおかしいから、一度医者に脳を診せなさい」と言われたのが後押しの一打。
脳を診せる?
叔母の話を具体的に要約すると、母親は、何度も来たことがあるはずの叔母の店がわからなくて店の前を車で行ったり来たりしたり、店に財布を置きっぱなしにしたり、赤信号を無視したり、友人を車で轢きそうになったり、がここ1年位連発しているので、しかるべき専門医に診断してもらうべきだ、ということだった。
その後も、日常生活を送るのは問題なさそうだけれど、しばらく行っていない場所へ車で行き迷子になったり、孫の名前と歳が一致しなくなったり、実家から帰るときにおみやげを自分で包んでくれたのに、その包を指して「これ何?」(今さっきあなたが包んでくれたものなんだが…)、などなど「?」と思う行為が続く。
受け答えはしっかりしているから、なんか変だな、という違和感を感じながら相対していた。
ああ、思い出した。一番びっくりしたのは年金収入月額12万円のところ、合計月額8万円の模合に複数入っていたことだ。当然、食費やら、光熱費やら、ガソリン代やら、交際費やらで手持ちの現金が足りなくなって、ついには私に何度か借金の申し込みがあったのでこの多重模合参加が発覚したのだった。収支計算ができていないのではないか?
彼女のお金の管理能力が非常に心配である。
医師の診断
叔母の強力なプッシュも有り、早速、専門家に診てもらうべく調査開始。
母親の住んでいる市では特定健診の一部として「脳ドック」に補助金が出るので、それを利用して受診してもらった。
手続き、付き添いは私の素敵な奥様に全部やってもらった。
「脳ドック」は人気があるのか、補助対象医院の「もの忘れ外来」の予約がとれたのが、昨年の12月中旬。
受診の結果は、長谷川スケール(長谷川式認知症スケール)で13点で中程度からやや高度の認知症とのことであった。(30点満点で20点以下が認知症の可能性が高いと判断される)
私の奥様いわく、脳のMRIも撮ったらしく、脳に隙間がハッキリあったそうだ。
最終的にアルツハイマー型と血管性の認知症と診断結果が出た。
診てもらった医師から「成年後見人」を立てることを強く推奨される(奥様談)。
うーむ、認知症か、しかもアルツハイマーか、と少々ショックを受けながら、これまでの「?」的行動に解を得られた気がして、前を向くことにした。
つまり、この診断をきっかけに、財産管理能力への疑いもあって、成年後見人について調べることになる。
続く。
(追記 2015/3/11)
脳ドック補助金は私の勘違いで、「脳ドック補助金」は、今年度はすでに定員オーバーとのことで、機転を利かせた私の素敵な奥様が「もの忘れ外来」に誘導した、というのが真相であるとの指摘が奥様方面からありました。訂正します。
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画像は実家の母親に餌をねだりに来るイソヒヨドリのオス。メスも来るがオスのほうが積極的で距離が近い。
子育ても軒下でしたそうだ。
このイソヒヨドリ夫婦にパンくずを与えることが母親の癒しになっている。
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