2014/08/13

オジーとオバーの家の崩壊

お正月と旧暦のお盆には母方の祖父母の家、つまり、オジーオバーの家にご挨拶に行くことが習わしとなっている。もう、オジーもオバーも亡くなっているので屋敷内の別の家に次男叔父さんの奥さんが住んでいるのでそこに顔を出す訳だけど。
そのオジーとオバーの家が崩壊しかけている。
外壁だけは新しくペイントされているのでまだ使えるかなと思ってたが、家の中の天井のコンクリートが落ち始めてきている。
これほど内部から壊れかけているコンクリート建物を見るのも初めてだ。
住むにはちょっとキツイな。

海砂利と錆びた鉄筋。
コンクリートに混ぜた砂がたぶん海砂利か石灰岩で、建設が戦後すぐの当時のことだから、当然、意図的ではないにせよ、塩抜きなどの工程はすっ飛ばしてしているはずなので塩分もりもりで、塩が水分を呼び、水分が鉄筋に錆を誘い、錆は鉄筋を膨張させ、圧縮には強いが膨張には弱いコンクリートを内側から破壊しているさまがよく分かる。
また、砂利の量も多く、粒も大きいのも容易に崩落した要因の一つのように思える。

5年前にこう書いた
オバーも数年前から老人ホームへ行き、仲の良かった親戚は子供の成長と共に疎遠となり、そのうちことごとく離婚でばらばらとなり、いとこ同士で会うことも なく、地域で一番最初にコンクリート造にしたというオジーの家は今は人気も無く寂れている。オジーが亡くなった後には山羊小屋にされ今は何もいない元の牛小屋や、それでも変わらない仏壇を中心とした家の間取りを見ると一族や家族といったものの栄華盛衰を思わざるを得ない。
この家をどんなにお金をかけて補修しても、あるいは、新たに建て替えたりしたとしても当時の賑わいを取り戻すことは叶わない。
コンクリートの崩落が一族の凋落を表しているようで、なんかこう、物悲しい。

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