子供達は大人の話が面白いわけでもないので、いろいろ自分たちで遊んでいたわけだが、屋敷の中のかくれんぼも定番の遊びの一つであった。
その日もかくれんぼをすることになった。私はかくれる側だった。当然、鬼役の意表を突きたいので、大人達が取り囲む座卓の下に潜り込んだ。今までそこにかくれた奴はいないからだ。大人が子供の遊びのルールを超越して居場所を教えてしまう危険性に気づき、周囲の大人達に「ここにかくれてるって言わないでよ!」と念を押した。息を潜めていると鬼がやってくる気配を感じる。とうとう鬼がすぐ近くまでやってくると、私の母親が言った。
XX(私の名前)が、「ここにかくれてるって言わないでよ!」って言ってたよ!当然見つかってしまった。
また、このかくれんぼで、かくれ場所に照明の落ちた廊下の隅のような暗い場所は、遮る物が何もないにもかかわらず、格好のかくれ場所だった。かくれている側からは鬼がよく見えるのに、明るいところに立つ鬼からはこちらが全然見えてなかった。
かくれんぼを通してたくさんの事を学んだ。
かくれんぼ関連では前に「かくれんぼにおける鬼の決め方」というポストも書いた。自分の思い通りに他人を動かすことは簡単ではない 嘘をつかず矛盾なしに正反対のことが言える 相手の立場に立ってみると違う世界が見えてくる 知恵を働かせることは重要だ ユーモアがあればたいていの事はしのげる 暗い所から明るい所はよく見えるのに、明るい所から暗い所は見えない(一般社会への物の見方もね)
画像はWikimedia Commonsから、エアバス社のBeluga。Belugaとはシロイルカのこと。確かに似ている。