2014/04/10

世知辛くて倒錯してしかも怖い

今回は、社畜たちの悪夢の話。

ウチの職場では、課長クラスには、しばらくやらせてみてダメだと思われたら、課長職を外されて、運が良ければ数年後に再チャレンジさせる、という道がある。
これは成長の機会を促すのでいいかなと思う。
ただし、ある一定以上の役(部長とか)に就くと降格そのものが無くなる。つまり、部長の降格はあった試しがない。
部長職に対して降格の代わりにどうするかというと、いわゆるラインから外してしまって(担当部長とか部部長とかにする)、一般職レベルが一人でやってたような仕事を担当させるのである。 名ばかり部長の出来上がりである。
これは、ある程度の給料が退職までの間は保証されるという、本人にとってはいい面もあるが、役職はそのままなので、表立っては部長!とおだてられながら、実際の仕事は一般職レベルに格下げされるという、現実をまともに見ることの出来る人なら、耐え難い非常に世知辛くも倒錯した人事なのである。
もっとも、この状況に至るまでには、本人に対する周りの評価は人事に先立ってかなりの低空飛行に入っているので(部長でこれかよ…、パワハラばっかり…とか)、この人事に対して憤慨する人や、ましてや同情する人は少ない。ウチの職場ってこの面だけはキツッ!ってところが大方の感想である。
それにしても、名ばかり部長がこのまま定年までの数年を過ごすということは、針のむしろというか、悶々とした日々というか、何かのために耐える大義名分がないとやってけないような気がする。どうするね?
これが海外なら役に立たない人は即クビでもおかしくないところだが、日本ではよっぽどのヘマをしでかさない限り中々クビにはできないし、ウチの職場も終身雇用制の灯火がまだ残っている。降格させたほうが支出も減らせるし、本人にも再度のチャンスを与える機会にもなるのだと思うのだが、これは私の手の届かないところで決められるので、なんともしようがない。

現実に立ち返って、私の知る限りそういう処遇にあった人がいままでに2名はいた。いずれも役職としての人格と能力を疑われての処遇だが、結局のところ、ある程度は自業自得で、彼らは、部長としての役割分担と、部下に対する権力を履き違えていたように思う。それが、周りの評価の低空飛行につながっているわけで、ウチの職場が仕事の成果の低さと低空飛行の評価を嗅ぎつけて、「正当な権力」を使ってこのような処遇を彼らに対して与えてしまう。
権力って使い方を間違えると他人の人生の一部を悪夢へと変えてしまう。怖い、怖い。

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画像は、階段で佇む猫。
彼女は我が家での処遇に満足しているだろうか?(というか、そもそも我が家のために何か貢献しているのだろうか?)
それにしても、襟巻きのような首周りのふくよかさは、貴婦人の富と怠惰を表しているのだろうか(前者は疑問、後者は正解)。
天井のトップライトから差し込む光がいい照明になっている。
2014年3月の撮影。

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