2025/02/08

夜に爪を切ると親の死に目に会えないという迷信


だいぶ昔、実家で夜に爪を切っていると母親がたいそう怒った。

「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」と言うのである。

普段は私に対してあまり怒らない母が強く言うのである。

夜の暗い中で刃物を使うと危ないので、子供でもはっきりわかるように言い換えた迷信だよな、と思っていた。

んなアホなと思いつつ、それ以来、実家を離れても長い間言いつけを守り、夜には爪を切らないようにしていた。


月日は流れ、迷信だと疑いながらも言いつけを守ったおかげか、親の死に目に会えました。

つまり、母の旅立ちに立ち会えました。

告別式で読み上げた喪主のあいさつ文を掲載します。

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本日は、ご多忙のところ、また寒さ厳しい中、母、XXXXの葬儀にご会葬いただき、誠にありがとうございます。


母は昭和7年、旧石川市の東恩納にXXXX・XXの娘として生まれ、長女として育ち、父と縁があり妻となり、二人の息子母として、そして6人の孫たちの祖母として、さまざまな役割を全うし、人生を駆け抜けてまいりました。

高校卒業後は、米軍の事務職に従事し、小中学校のPTA活動や、ママさんバレーの選手としても活躍、さらにはうるま市の体育指導員として地域にも貢献してまいりました。

幅広い活動を通じ、多くの友人に恵まれ とても社交的な人でした。

また、母は、必要なことには躊躇せず取り組む人でした。
20代で、当時の若い女性としては珍しく運転免許を取得しました。
教育の重要性を早くから認識し、今は亡き父を率先するかたちで、
うるま市に家を建て、私と弟の、二人の子供を育て上げました。


そのような母が、1月8日の朝、静かに息を引き取りました。


母が豊かな人生を送ることができたのは、ひとえに皆様方の温かいご支援とご厚情の賜物であると、深く感謝しております。

生前ご厚誼を賜ったこと、故人に代わって厚く御礼申し上げます。


本日は、誠にありがとうございました。


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10年前に父が亡くなり、ほぼ同時期に母の認知症がわかり、認知の歪みに伴う金銭面でのトラブルを回避するため成年後見人保佐となった。

また、実家は土地は借りていたものの、建物は母親名義である。財産と呼べるのはこの建物だけだが、雨漏りもひどいので、貸すこともままならない。大家からは土地の賃貸を解約するなら現状復帰でと言われている。

今後残っている手続きは次のとおり。粛々とこなすだけ。

 成年後見人保佐終了の届け

 成年後見人保佐終了に伴う登記抹消

 建物の相続登記

 土地の原状復帰(建物の解体)

 土地の賃貸契約解約

 建物の登記抹消


画像は母親の現役時代、米軍基地内のオフィスで上司や同僚たちと撮った一枚だと思われる。どういう雰囲気だったんだろう。今となっては聞こうにも聞けない。

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