2016/01/22

葬儀の違い (奄美と沖縄)

先月倒れて入院していた父方の祖母の様態が急変して亡くなってしまった。
状態も安定してきており、転院する前日だったそうなので周囲のみんなはただ驚くばかり。
弟と急遽駆けつけることにした。
1日1往復の飛行機では時間の融通が効かないので通夜と告別式には間に合わなかったけれど火葬には間に合った。
せっかくなので(?)、奄美と沖縄の葬儀の違いについてメモしてみる。
キーワードは「家族葬」「火葬と告別式の順序」「新聞告知」「お坊さん」「法要の前倒し」など。

「家族葬」
祖母の葬儀は家族葬で行うとの事だった。奄美では最近主流だそうだ。
本当に近親者だけで、近所の人も一連の葬儀が終わった後に知らせるとのこと。
もっとも、現役バリバリの人がなくなった時は社会的影響も大きいので、「新聞告知」の上、告別式を行うらしい。

「火葬と告別式の順序」
奄美と沖縄では火葬と告別式の順序が入れ替わっている。というか、まだ生きていた時と同じ姿の遺体に向かって最後のお別れを告げたいだろうから、火葬された後にお骨と遺影にお別れをする沖縄が特殊じゃなかろうか。
  沖縄(父親の葬儀) : 通夜 → 火葬 → 告別式 → 納骨
  奄美(祖母の葬儀) : 通夜 → 告別式 → 火葬 → 納骨
沖縄の告別式には大勢の人が来る場合が多いのでやむを得ず、告別式での焼香も2列3列は当然で効率を図っているのではないかと思うが、仏教式は火葬が先だという意見もあり、真相はいかに。

「新聞告知」
新聞告知はどちらも行うが、 奄美では家族葬で済ませました、という事後連絡、沖縄では告別式を行うのでという事前告知。実際現地の新聞でもお年寄りはほぼ家族葬であった。ただ、上述のように奄美でも事前告知のケースもあるとのこと。

「お坊さん」
奄美の祖母の場合は一切関わりがなかった。 実際お寺もあるのかどうかわからない。沖縄の父親の場合は、告別式、初七日など要所要所で呼んでいる。沖縄県の統計(宗教法人の数)を見ると沖縄ではお寺の数も増えているようだ。かといって葬儀以外での関わりはないので、いわゆる葬式仏教か。

「法要の前倒し」
奄美では「引き寄せ」と言っていた。沖縄では「繰り上げ」だ。 
沖縄では初七日に四十九日までの法要をまとめて行うことが多くなってきているが、奄美では初七日なども行なわないとのことで、納骨が終われば全て終わりである。


葬儀というのは、火葬という実質的な作業を除けば、残された人たちのためのものだから、その地域の特色が出ると思う。
総じて奄美はコスト的にも時間的にも合理的で、沖縄は人間関係を重視しているためかその逆だと思った。

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祖母と直接会ったのは片手で数えきれるほどであったが、毎年タンカン(オレンジとミカンをミックスすたような柑橘類)を送ってくれて、お礼に電話すると独特の奄美の訛りで元気をくれた。
まだ、頭のなかで声が生きている。

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