冗長(じょうちょう)とは一般には長ったらしく余分なもの。
「冗」には無駄なものの意がある。
通信の世界で冗長は非常に重要な言葉で設備や回線(伝送路)の予備を常時持ってすぐ使える状態にあり、現用機/現用回線がダウンしてもサービスにほとんど影響を与えない構成にすることを冗長化(redundancy)と言ったりする。
二重化とも言うが、三重化の時困るので冗長化で一般化している。
英語だとredundantが形容詞、redundancyが名詞。
なぜ冗長化が重要かというと通信設備の信頼度を格段にあげることができきるから。
同等の信頼性を持つ設備を並列に接続する構成だと、信頼性は二乗で効いてくる。
90%の信頼性を持つ設備を冗長化すると99%の信頼性に(一桁上がった)。99%の設備を冗長化すると99.99%になる(二桁上がった)。
具体的には 冗長化の信頼性 = 1 - (1 - 信頼性)(1 - 信頼性) となる。
冗長化により通信の信頼性を確保している。
一口に冗長と言っても考え方や文化の違いで冗長構成を次のように言うこともよくある。
- 現用系/予備系
- 現用系/待機系
- プライマリー/セカンダリー
- ワーク/プロテクション
- 0系/1系
- 1系/2系
- 1系/2系/3系/...
- アクティブ/スタンバイ
- ホットスタンバイ
- コールドスタンバイ
- 1+1構成
- N+1構成
重要な回線なので信頼性を確保したい、といった場合には回線の二重化を前提として
- ケーブルルート(route)の異ルート化
- 建物への引き込み口(管路)の二重化
- 電線の架空(電柱経由)ルートと地中ルートの分離
- 異なる回線収容装置への収容
- 異なる局舎への収容
これをさらに推し進めてそもそもの通信事業者(キャリア)さえも分けてしまう場合がある。
これをキャリア・ダイバーシティ(carrier diversity)と言う。
diversityは多様性の意。
ところで同じ冗の字を使うものに冗談がある。
冗談:http://gogen-allguide.com/si/jyoudan.html
冗談の語源は、二通りの説がある。冗談が無駄なものと認識されるのは真面目ですがユーモアがない。
ひとつは、ありふれた話という意味の「常談(じょうだん)」が転じて、無駄話の意味となり、無駄であるという意味の漢字「冗」が当てられ「冗談」になったとする説。
もうひとつは、笑いながら楽しそうに話すという意味の「笑談(しょうだん)」が転じて、「冗談」なったとする説で、正確な語源は未詳である。
また、江戸中期の浮世草子「世間手代気質」では、「冗談」を「串戯(じゃうだん)」と書き、無駄話をしてサボる意味として使われた例があり、昔はやや広い意味や用法で、「冗談」という語が使われていたと考えられる。
日本人にユーモアが足りないのは漢字のせいか。
いや冗談。
ついでに冗長も。
冗長:http://www.kab-studio.biz/Programing/JavaA2Z/Word/00000630.html
ながったらしい。
必要のない記述を加えること。
本当は簡潔に書けるのに、それに余分な記述を付け加えた場合、それを「冗長」と言う。
通常は、その余分な記述はあってもなくても構わず、機能の差は存在しない。
多くの場合、「冗長」とは「無駄に長い」という意味を持ち、不必要なものが付けられているという否定的な意味を持つ。
ただし、場合によっては「失敗に備えた予備」という意味で使われることもある。
「冗長」な箇所が、記述した時点では無駄であっても、将来的にその「無駄な箇所」が「必要な箇所」となる場合もある。
それを見越している場合、「冗長」という言葉は肯定的な意味を持つ。
冗長化も行き過ぎるとやたら高コストになったり、複雑になり過ぎてかえって信頼性を損ねたりすることがある。
通信屋さんもその道の人は道具や車や服や携帯電話や果ては家や子供はまだしも、奥さんまで冗長化したりして人生を損ねたりするのである。