2021/09/10

沖縄島建築 (監修・写真:岡本尚文、建築監修:福原朝充)

近代から現代にかけての沖縄の建築物とそれにまつわる人びとの物語をセンスよくまとめた本。または、沖縄の特徴的な気候、気象、地形、景色、歴史、人々の気質を感じさせる建築を選りすぐった本とでも言ったらよいでしょうか。

所在地の住所、参考文献が丁寧に記載されているので、この本を手始めに現地を直接訪れたり、あるいは、書物から広がる沖縄の建築探訪の旅に出ることもできます。他所の地域に似ているようで似ていない、気だるい空気感の漂う沖縄の建築を何故か気になりかけている人が最初に手にとってみるにはうってつけの本です。

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そう言えば、「琉球の住まい」(Amazon)などの著者である福島俊介先生が先日お亡くなりになられた。この本で、沖縄建築の特徴の一つに石造、石灰岩による建築があると指摘されていて、目からウロコが落ちたことがある。ウロコがあったんやな、僕の目。

首里城を始めとする各地に残る城(ぐすく)の城壁、道路(石畳)、橋、台風から建物を守るための石垣などに見られます。また、木材がそんなに豊富ではないため、石灰岩の活用は自然なことであったようです。

画像は南城市垣花の石垣。道路拡張のカーブに合わせて石垣を積み直したと思われます。 取り壊しも多い中、時代に合わせて生かしてくれていることにとても感銘を受けました。



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